文化財保護

287 水橋(すいきょう)


朱家角古鎮には民間や官用の橋だけでなく、商店専用に造られた水橋も見られます。その代表例が、北大街287号にある醤園水橋です。この橋は、100年以上の歴史を誇る涵大隆醤園のすぐそばに位置しています。

涵大隆醤園は、清・光緒12年(1886年)に創業し、以来140年近く同じ場所で営業を続けています。通りに面した部分が販売店、奥は生産工場として利用されていました。

醤園水橋は北大街を跨いで市河南岸に隣接し、醤園への原料搬入や商品出荷に便利な専用の商業用埠頭として建設されました。お店の創業と同時期に造られたこの橋は、139年以上の歴史を持ち、今も当時の姿を残しています。

橋の構造は単一入口・二重出口型で、内側が凹み、外側は古鎮の護岸とほぼ平行になったT字形をしています。材質は**蘇州郊外の金山で採掘された花崗岩(“金山石”)**で、精緻な職人技と美しいデザインが特徴です。

単一入口部分は長さ1.2メートル、幅1.4メートルで、6段の階段が設けられています。

二重出口部分はそれぞれ幅1.7メートル、長さ3.6メートルで、各4段の階段があります。

この水橋は商人の専用埠頭としての役割を果たし、現在も美しい姿のまま保存されており、朱家角の商業文化を伝える貴重な遺産です。


139 水橋(すいきょう)
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