文化財保護

クラブ茶館(江南第一茶楼)


クラブ茶館(江南第一茶楼)
クラブ茶館は「江南第一茶楼」とも呼ばれ、朱家角古鎮の賑やかな北大街に位置しています。清朝末期(1911年)に設立され、正式名称は「倶楽部公記」でした。解放後、一時的に「江南第一茶楼」と改名されました。

当初、地元商人の葉鴻泉・於士卿・夏瑞良の三人が共同出資し、順番に店主を務めていました。解放まで続いたこの茶楼は、青浦区内で最も大きく、最も有名な百年老舗茶館として広く知られています。

茶館は東向きで、三間の間口を持つ二階建ての建物は奥行四間、総面積400平方メートル。広々とした空間は雅趣に富み、古色蒼然としています。建物の正面はアーチ形の赤煉瓦と灰色の壁で装飾され、当時の面影を色濃く残しています。かつて一階には浴室があり、お茶用の湯を沸かす「虎ストーブ」が設置されていました。館内には、点心の名匠「饅頭金根」による点心店があり、生煎・蟹殻黄・蟹肉焼売・卵糸湯包などの旬の軽食が提供されていました。

二階では、評弾(江南地方の伝統音楽語り物)の名家が出演する書場が設けられ、名人たちが招かれて演奏を披露し、弦の音が鳴り響く中で文化的な香りに包まれていました。この茶館は周辺から多くの茶客、食客、聴客、浴客を惹きつけ、絶大な人気を誇りました。

茶館の西側は市河に面しており、欄干や二階からは、放生橋・三叉水港・円津禅院など朱家角の美しい風景が一望できます。

民国38年(1949年)3月6日、朱家角が発行する『明報』は「珠井茶坊巡礼」と題した特集記事で、この倶楽部茶館の盛況ぶりを記録しています。当時の詩にこう詠まれています:
「詩人三百人、我とともに雲楼を歩む。
茶を味わい、佳句を打ち、窓を開け遠舟を送る。」


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朱家角