文化財保護

城隍廟(じょうこうびょう)


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朱家角の城隍廟は、漕河街69号に位置し、青浦城隍の行宮として建てられました。もともとは町の南・雪葭浜にありましたが、清・乾隆28年(1763年)に現在地へ移転され、300年以上の歴史を誇ります。

上海の有名な城隍廟ほど豪華絢爛ではありませんが、朱家角ならではの古色蒼然とした趣があります。

この廟の三大特徴は以下の通りです:

1. 珍しい東向きの門
多くの城隍廟は北向きで、南に門を構えるのが一般的ですが、朱家角の城隍廟は東に門を開くという珍しい造りです。この配置には、地元の文化人・王昶にまつわる逸話が残されています。

正門は市河に面し、その前に**照壁(しょうへき)**があり、その後ろには城隍廟橋がかかっています。正門の上には、上海市道教協会会長・陳蓮笙が揮毫した「城隍廟」の扁額が掲げられています。門の両側には東西の辕門があり、門前の石獅子は北方の勇壮な獅子とは異なり、繍球や子獅子を抱えており、江南石獅子特有の柔らかで可愛らしい雰囲気が漂います。

2. 古い伝統劇の舞台
正殿前には珍しい形の古い演劇舞台があります。門をくぐると左右に側殿があり、その奥に魚脊柱と呼ばれる石柱が立ち、舞台は飛檐と翹角を持つ華やかな造りです。舞台前の横額には「承平雅頌」と四字熟語が刻まれ、両脇の石柱には次のような対聯が刻まれています:

「斯の台を築きて 悠々たる久しきかな。
往事を観るに 夢か現か。」

特に注目すべきは、160個の斗拱で螺旋状に組まれた円形の天井です。舞台周囲には古代劇のシーンを描いた木彫が施され、その意味深い物語性が訪問者を魅了します。

3. 正殿の大そろばん
正殿の門の上には巨大なそろばんが掛けられており、その珠が次のような配置で止められています:

「六六六、一二三四五六七八九、八八八」

これは「六六順(全て順調)、九九帰一(物事の統合)、八方平安(八方の平和)」を意味し、城隍神が民の生活を計算しつつ守護し、風雨順調、国泰民安を願う意図が込められています。

正殿中央には城隍老爺とその夫人の塑像が祀られています。横梁の精巧な彫刻は城隍廟の三宝の一つとされ、人物や演劇の場面が生き生きと刻まれています。殿内には、乾隆帝が江南巡幸の際に下賜したと伝わる「福佑顕霊伯」の扁額が掲げられています。

正殿裏には回廊や附属建物があり、かつてはさらに多くの建物がありました。特に、大殿裏にあった二本の千年銀杏は有名で、南側の木は落雷と虫害で失われましたが、北側の一本は今なお青々と茂っています。その後ろの煉瓦彫刻の門楼は破損しているものの、明代様式の美しい装飾が残り、極めて貴重です。


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朱家角