文化財保護

72 水橋(すいきょう)


西井街72号の門前、市河の東岸には、黒色花崗岩の文化財保護碑が設置されており、「青浦区文物保護点」と記され、2017年2月に建立されました。

この水橋は西向きで、内側に窪んだ両面馬鞍形(ばあんけい)の構造をしています。正面には2段の石段があり、幅は121センチです。中央のプラットフォームは3枚の石板を組み合わせて作られており、幅は110センチです。プラットフォームから南側に6段(総長185センチ)、北側にも6段(総長206センチ)の石段が続きます。

特徴的なのは、西側のプラットフォームに彫刻された繋船石の図案です。それは、一つの花瓶から三本の方天画戟(ほうてんがげき)が伸びるデザインです。「瓶(へい)」は「平(へい)」と同音で、平安・平順を象徴し、「戟(げき)」は「級(きゅう)」と音が似ており、古代では官位・品階の象徴でした。これらを組み合わせた「平生三級」という語は、明清時代の読書人が秀才・挙人・進士という科挙試験の三段階を突破することを生涯の願いとしていたことを表します。

科挙制度が廃止された後、このような繋船石の意匠は本来の意味を失いましたが、石彫刻芸術としてその美しさは受け継がれています。


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朱家角