廊橋は、別名「恵民橋」とも呼ばれ、北大街の南端の曲がり角に位置し、市河の上を横断しています。東側の橋詰は古鎮で最も賑やかな商業通りである北大街に通じ、西側の橋詰は漕河街(または廟前街)につながっています。
この橋は古鎮唯一の木造橋であり、最も特徴的な橋でもあります。橋面には木製の欄干が並び、屋根には瓦と反り上がった軒が付けられているため、「廊橋」と呼ばれています。橋上では風雨や強い日差しを避けることができ、住民の通行を便利にし、休憩所としても機能していたことから「恵民橋(人々に恩恵を与える橋)」と名付けられました。
橋の優雅で軽やかな造形は、市河両岸の整然とした石垣と、白壁に黒瓦屋根の明・清時代の建築群を一望できる景観を引き立てます。窓を水辺に開き、川沿いで買い物を楽しむ人々の姿は、江南水郷ならではの風情を感じさせます。また、漕河街側の川沿いに並ぶ長い回廊は、水郷情緒溢れる一幅の絵のようです。
恵民橋は清代に初めて建設され、解放後に一度修繕され「新橋」とも呼ばれました。しかし、1960年代には老朽化が進み、ついに解体されました。1996年、古鎮観光の発展を願った地元の陳署昌氏が10万元を寄付し、元の場所に煉瓦と木材を組み合わせた新たな廊橋を再建しました。