中龍橋(ちゅうりゅうきょう)
中龍橋は、朱家角古鎮で“龍河”と呼ばれる井亭港に架かる三橋の中央に位置し、龍の胴体にあたる橋です。この橋は清代中後期に建造され、百年以上の歴史を誇ります。橋は単孔梁式で、橋脚や橋体全体が花崗岩で築かれています。
橋の全長は14メートル、橋堍の幅は約2.2メートル、橋面の幅は約1.5メートル。アーチのスパンは4メートルで、両側には12段の石段が設けられています。欄干は無装飾の実心花崗石で、高さ50センチ、親柱は86センチあり、護欄としてだけでなく腰を下ろして休む場所としても機能します。欄干の四隅には鼓形の柱が配され、堅牢さと美しさを兼ね備えています。
中龍橋は「龍河」の腹に位置します。伝説によれば、300年以上前、康熙帝がこの石橋を歩いたとされ、それ以来、後世の人々はこの橋を“龍橋”と呼ぶようになりました。川の中央に位置することから「中龍橋」と名付けられました。
歴史あるこの橋は、優美な造形と巧みに積み上げられた巨石の橋脚により、今日まで頑丈さを保ち続けています。朱家角の古橋の中でもひときわ美しい逸品であり、橋の上には観光客が絶えず、橋の下には小舟が行き交い、両岸には青柳や花々が咲き誇るなど、江南水郷の風情が色濃く漂っています。